土地の評価計算の方法

相続で土地を取得した場合、相続税の計算において土地の評価計算を行う必要があります。

土地の評価計算においては、路線価方式と倍率方式の2つの評価計算の方法があります。

ここでは、土地の評価計算の方法ついて、具体的に解説します。

 

 

《目次》

1.土地の評価方法

2.路線価方式

3.倍率方式

4.土地の評価に必要な書類

5.まとめ

土地の評価方法

土地の所在地によっては、市街地にある土地と郊外にある土地では、同じ評価計算によることが難しいため、路線価方式倍率方式との2つの評価方法のいずれかで計算されます。

一般的に、路線価が定められている地域の土地は路線価方式により、路線価が定められていない地域にある土地は倍率評価により評価して計算されます。

どちらの方式で評価を行うかは、土地が所在するそれぞれの地域ごとに決められています。

都道府県の地域ごとに、国税庁のホームページ「財産評価基準書  路線価図・評価倍率表」から所在地を指定して調べることができます。

実際に、相続税の申告で土地の評価を行う場合、「亡くなった年分」の路線価図と倍率表を使い評価の計算を行います。

ただし、その年の路線価図と倍率表が国税庁から公表される時期は、その年の7月1日前後に公表されるため、必要な年分のものが公表されていない場合、公表されてから土地の評価の計算を行うことになります。

 

路線価方式

路線価は、路線価図に土地1㎡あたりの価額が千円単位で表示されています。

路線価方式は、土地が面している道路に表示されたこの路線価に、土地の面積(地積)をかけて評価額を計算します。路線ごとに地価事情が異なる市街地の地域などに適した評価方式です。

一般的に、市街化区域の地域については、路線価方式が採用されています。

路線価にかける面積(地積)は、相続時の実際の地積を使います。通常、固定資産評価証明書の課税地積や地積測量図の地積を使い計算します。

この路線価とは、「その道路に面する標準的な宅地1㎡あたりの価額」です。

「標準的な宅地」とは、その道路に面する正方形や長方形の整った形の土地のことをいい、その土地に面している道路に路線価が設定されています。

実際の土地は、正方形や長方形の整った形ではなく、形がいびつな土地や道路から奥まった土地など形状もさまざまです。

このような土地の個別の実情は路線価には反映されていないため、土地の形状に応じた補正を行い、土地の相続税の評価額の計算を行っていきます。

具体的に、土地の特徴ごとの補正率には、下記の種類があります。

補正率の種類 補正する土地の特徴
奥行価格補正率 道路からの奥行距離が平均より長く(または短く)利用しにくい土地
側方路線影響加算率 角地にある土地
二側方路線影響加算率 反対側も道路に面した土地
間口狭小補正率 道路に面する間口が狭く利用しにく土地
奥行長大補正率 道路に面する間口に比べて奥行距離が長く利用しにくい土地
不整形地補正率 形状がいびつで土地全体をみて有効利用ができない土地
がけ地補正率 がけ地にあり使えない部分がある土地
倍率方式

評価を行う土地について、評価倍率が設定されています。

倍率方式は、その土地の固定資産税評価額に、評価倍率をかけて評価額を計算します。

倍率方式は、比較的に地価の開きの小さい農村地域などの土地の評価に適しています。そのため、市街化調整区域の地域では、倍率方式が採用されていることが多く見受けられます。

また、路線価方式と異なり、倍率方式では土地の面積(地積)はかけません。

固定資産税評価額は、各市区町村で宅地ごとに判定され評価額が決められているため、それぞれの土地の個別の事情が反映された評価額になっています。そのため、原則、路線価方式のような補正率による調整も行われません。

 

土地の評価に必要な書類

土地に関する書類は、自治体や役所関係の取り扱っている窓口が異なります。

実際に土地の評価計算を行う際には、必要な書類や取得できる場所や窓口を確認の上、まとめて取得すると効率的です。

書類名 取得できる場所・窓口 コメント
路線価図または評価倍率表 国税庁のホームページから公表

毎年7月1日前後にその年分が公表

固定資産税課税明細書 毎年6月頃、土地の所在地の市区町村役場(東京23区は土地の所在地の各都税事務所)から郵送 相続開始日の年のもの
固定資産評価証明書 土地の所在地の市区町村役場(東京23区は土地の所在地の各都税事務所) 相続開始日の年のもの
名寄帳(土地家屋課税台帳・固定資産課税台帳 土地の所在地の市区町村役場(東京23区は土地の所在地の各都税事務所) 相続開始日の年のもの
登記全部事項証明書または登記情報 法務局または登記情報提供サービス 郵送による取得も可
公図 法務局または登記情報提供サービス 郵送による取得も可
地積測量図 法務局または登記情報提供サービス

郵送による取得も可

土地の所在地によっては、ない場合もあり

住宅地図・ブルーマップ 国会図書館、所在地の法務局  
土地の賃貸借契約書等 土地を貸している場合や、借りている土地の場合  
土地の無償返還に関する届出書 税務署(過去に税務署に届出書を提出している場合)  

上記の書類の他にも、土地の形状や現地を確認した時の写真なども土地の評価計算の判断資料になります。

まとめ

土地の評価計算の方法は、路線価方式と倍率方式の2つの評価方法のいずれかで計算されます。

どちらの方法で計算を行うかは、実際の土地の所在地から、路線価が定められている地域か路線価が定められていない地域かにより判断していきます。

路線価方式による場合、路線価に土地の面積(地積)をかけて土地の評価額を計算し、土地の形状から補正率を適用して評価します。

土地の形状や現況については、実際に現地の土地を確認して判断することが必要です。

土地の評価は複雑であるため、専門家のアドバイスを受けることがおすすめです。

 

相続税の負担を軽減する制度があり、事前の相続対策の検討も行えます。こうした制度を適用して申告、税金の計算を行うことで相続税の節税効果にもつながります。

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