銀行融資によらない資金調達方法(2)

金融機関からの融資以外にも、最近ではネットデータを使った融資・資金調達方法があり、銀行以外の企業が、融資を行う事業に相次いで参入しています。

このようなネットデータを使った融資は、AIによって判断するため、意思決定のスピードが速く、資金が急に必要な場合でも素早く対応してもらえます。

ここでは、金融機関以外からの資金調達の方法のひとつとして、データレンディング(オンラインレンディング)という資金調達方法について説明いたします。

 

 

《目次》

1.データレンディング

2.スコアレンディング

3.トランザクションレンディング

4.バランスシートレンディング

5.まとめ

データレンディング

データレンディング(オンラインレンディング)とは、「ビックデータ」と「AI(人工知能)」を活用して、人手をほとんど使わずに、数百項目のデータを分析し、融資判断を行う融資サービスのことをいい「オンライン融資」とも呼ばれています。

データレンディングによる融資は、ECサイトの売上データや決済情報、会計データなどの借り手側のクラウドデータをもとにAIが判断するため、審査のスピードが速く、書類の用意も非常に少ないうえ、契約書等の記入もほとんど必要がないため、金融機関からの融資と比べて審査と融資までの実行の時間が圧倒的に速くなります。

金融機関からの融資は、財務諸表や事業計画書などの提出された書類を分析し融資審査を行う「オンライン」の手続きです。そのため、審査の時間が必要となり、急な資金需要に対応するケースが難しい場合もあります。

オンラインレンディングは、融資実行までのスピードが速い反面、AI導入・維持コストが必要なため、金利面は高めに設定されていることがデメリットといえます。金利は契約金額・審査内容により変わるため、従来の資金調達手段との比較検討ができないことが難しい点でもあります。

また、オンラインレンディングは、担保や保証人が不要なサービスが多い点も特徴のひとつです。

金融機関の審査システムでは、「返済能力」について正確に判断してもらうことが難しい中小企業や個人事業主も多くいます。「借入実績」が重要視されるあまり、売上や利益からの「返済能力」を十分に見てもらえないケースでは、その補てんに担保や保証人を重視する傾向もあります。

オンラインレンディングでは、会計データなどに合わせて日々の取り引きデータを元にAIが分析・判断を行うため、データからの「返済能力」がポイントになり、担保や保証人を求める必要性が少なくなる点も特徴です。

このデータレンディングはいくつかのサービス形態に分かれています。

主なサービスの形態とその仕組みについて、下記で具体的にみていきます。

 

スコアレンディング

スコアレンディングとは、AIがその企業の将来的なリスクや返済の可能性、信用力を判断して点数化を行い、融資額や融資条件を自動的に決定する融資サービスです。

スコアレンディングの融資は、申込者の登録情報や質問からAIが審査し「スコア」を算出します。この独自指標の「スコア」の数値に応じて貸付利率や、借入可能な契約限度額を決めていく仕組みです。

AIにより数字からは分からない定性的な評価も点数化して審査を行うため、数字や信用情報を審査材料とする従来の定量的な評価の審査基準との違いもあります。

また、借入の際の情報登録から質問事項への回答、審査、契約までWeb上で手続きが行え、最短当日に融資を受けられる速さもサービスの特徴となっています。

以前からも「スコアリングモデル」による融資商品は、銀行を中心に取り扱いされていましたが、スコアレンディングは、その精度を高めたもので、ノンバンク系による融資が先行しています。

 

代表例

・J.ScoreのAIスコア・レンディング

   
トランザクションレンディング

トランザクションレンディングは、特定のプラットフォームでの取引データを元に信用力を測定して審査を行う融資サービスです。

ECサイトにおける日々の売上のデータや決済サービスにおける取引データをAIが分析することで融資審査が行われます。

伝統的な財務情報にもとづく返済能力の評価や資産・担保の評価といった融資と異なり、リアルタイムの取引履歴などのデータ収集により返済能力や信用力判定を即時に、かつ正しく測定できる仕組みになっています。

主なプラットフォームは、「楽天市場」や「Amazonマーケットプレイス」などがあげられます。

ECサイトを利用している事業主が、「銀行から仕入れ資金が借りられないけど、どうしても事業資金が必要」というときに使えるため、借り手側からすると、とても使い勝手のよい融資サービスです。

 

代表例

・楽天スーパービジネスローンエクスプレス

・Amazonレンディング

・リクルートパートナーズローン

・GMO-PGトランザクションレンディング

 
バランスシートレンディング

バランスシートレンディングは、ネットバンクやクラウド会計ソフトから確認できる入出金の状況データから融資の審査を行うオンライン融資サービスです。

クラウド経由で送られた簿記データから日々の入出金、受注の状況などをリアルタイムにAIが分析して信用力を見極めます。

トランザクションレンディングで用いるプラットフォーム内の取引データと同じ特徴がありますが、バランスシートレンディングはより幅広いデータを参考とするため、網羅性が高い融資サービスの傾向といえます。

一年前の決算書で審査する従来の与信と比べて、リアルタイムの情報から精度が高い融資を実行することができます。

 

代表例

・アルトアオンライン融資サービス

・MFクラウドファンディング

 
まとめ

金融機関からの融資以外にも、AIを活用したオンラインレンディングによる融資・資金調達のサービスがあります。

オンラインレンディングの普及で、中小企業や個人事業者が緊急時に資金が必要な時に、短期間で少額の資金調達方法の選択肢としても可能性が広がってきています。

オンラインレンディングの利用にあたっては、一定期間以上の業歴やデータの累積が必要となるため、事業での融資条件を満たしているかどうか確認が必要です。また、金利面などでもよりよい条件で融資・資金調達を受けるために、取引履歴や入出金のデータの日々の管理も必要となってきます。

適正な融資条件を受けられるようにするためにも、中小企業、事業者側では日々の取引履歴、会計データなどの情報をアップデートして管理しておくことが重要になります。

 

 

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