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令和5年度の税制改正で、2024年(令和6年)から新NISA制度が開始されます。
今までのNISA制度を一本化し、投資額の拡大や制度の恒久化、投資枠の再利用など新たな制度内容の改正になります。
貯蓄から投資への流れを進めること、家計の金融資産の増加を目的として抜本的な拡充が図られています。
ここでは、具体的に新NISA制度の内容について解説します。
《目次》
1.NISA改正の概要
2.新NISA制度のポイント
2.現行のNISA制度と新NISA制度の比較
3.まとめ
NISA制度の改正は、政府の「資産所得倍増プラン」の実現に向けた「貯蓄から投資へ」の流れをさらに進めることを背景に、若年層からシニア層にいたるまで資産形成を安定して継続的に行えるように抜本的な制度の拡充が図られています。
現行のNISA制度では、一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶ必要があり併用ができませんでした。
新NISA制度では、「成長投資枠」「つみたて成長枠」の2種類の投資枠として併用ができるようになり、年間に投資できる上限額と生涯において非課税保有の限度額も拡大されます。
また、非課税保有期間と投資可能期間の定めがなくなったことで、長期間にわたり非課税で運用できるようになることも特徴の一つです。
新NISA制度のポイントを現行のNISA制度とふまえて、ポイントを4つあげています。
ポイント1 NISA制度の一本化 |
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現行のNISAは「一般NISA」もしくは「つみたてNISA」のどちらかを選択する必要がありましたが、新NISA制度では、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類の投資枠を併用して運用することができます。 「つみたて投資枠」で毎月つみたて投資を行い、「成長投資枠」で日本株や外国株への投資等もできるようになります。 |
ポイント2 NISA制度の恒久化 |
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現行のNISA制度は、非課税保有期間と投資可能期間が定められていましたが、新NISA制度では適用期間が恒久化されることで、非課税保有期間と投資可能期間は無期限になります。 新NISA制度では、長期での運用ができるようになります。 |
ポイント3 年間の投資上限額の増額 |
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現行NISAで年間に投資できる上限額は「一般NISA」が120万円、「つみたてNISA」が40万円です。 新NISA制度では、年間の投資上限額が増額され、「成長投資枠」は240万円、「つみたてNISA」は120万円、合計360万円まで投資することができます。 現行NISAと比較すると、一般投資枠は2倍、つみたて枠が3倍と大きく上限額が引き上げられています。 |
ポイント4 生涯で投資できる非課税保有限度額の増額 |
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現行のNISA制度は、一般NISAが120万円/年×5年=600万円、つみたてNISAが40万円/年×20年=800万円が実質的な保有限度額でした。 新NISA制度では、生涯で投資できる額の上限が「成長投資枠」と「つみたて投資枠」合わせて1,800万円に設定されます。 なお、「つみたて投資枠」は1,800万円まで投資が可能ですが、「成長投資枠」はそのうち1,200万円までが上限となります。 現行NISAは買い付け時点で保有枠を使うため、途中で商品を売却した場合、限度額が増えることはありませんでした。新NISA制度では取得した商品を売却することで再度、非課税の限度額の再利用が可能になります。 |
2023年(令和5年)までの現行のNISA制度と2024年(令和6年)からの新NISA制度を比べてみると下記の一覧のとおりです。
現行のNISA制度と新NISA制度の比較
現行のNISA制度 | 新NISA制度 | |||
---|---|---|---|---|
一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | 無期限 |
非課税保有限度額 | 600万円 | 800万円 | あわせて1,800万円 (成長投資枠は最大1,200万円) | |
制度の併用 | 不可 | 不可 | 可 | 可 |
投資可能期間 | 2023年12月31日まで | 2024年1月1日から恒久化 | ||
投資対象商品 | 上場株式・投資信託等 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 | 18歳以上 | 18歳以上 |
年間に投資できる額の上限が増額され、「成長投資枠」は240万円、「つみたて投資枠」は120万円、合計360万円まで投資することができます。
生涯で投資できる額の上限も「つみたて投資枠」が1,800万円まで、「成長投資枠」はそのうち1,200万円が上限となり、拡大されています。
NISA口座で生じた損益は、ほかの口座と損益の通算ができず、また損失を翌年以降に繰り越すことができないことは現行の制度と同じです。
新NISA制度では、適用期間が恒久化され年間投資上限額や生涯投資上限額が大幅に拡大されます。
また、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの投資枠の併用が可能になったことで投資の運用の選択の幅も広がります。
税制面でも非課税の取り扱いが広がったため、長期の資産形成も効率的に計画的に行えるようになります。
NISAで運用される際には、収入や税金のシミュレーションと合わせて計画をたてていかれるとよいでしょう。
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