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金融機関は、会社の決算書や試算表をもとに財務状況や経営の実態を数字で確認し、融資審査の判断を行います。
決算書の勘定科目の処理が適切でなかったり、粉飾があったりすると、金融機関は会社の状況を正しく把握できません。
その結果、融資の審査が厳しくなったり、希望通りの融資が受けられないこともあります。
今回、金融機関が融資審査の際に、特に気にする勘定科目のポイントについて解説します。
《目次》
1.金融機関が気にする勘定科目①:貸付金(短期・長期)
2.金融機関が気にする勘定科目②:現金・預金
3.金融機関が気にする勘定科目③:棚卸資産
4.金融機関が気にする勘定科目④:仮払金・仮受金
5.金融機関が気にする勘定科目⑤:経費
5.まとめ
金融機関が必ず気になる勘定科目は、「貸付金(短期・長期)」です。
融資を行う金融機関にとって、貸したお金がどこに流れて使われたかを常に確認しています。
特に、社長や役員ご家族への貸付金があると、公私混同をして会社のお金とプライベートのお金が混同されていないかと思われるので注意が必要です。
金融機関もそうですが、信用保証協会からの審査の確認も厳しく、融資審査のたびに貸付金の内容やその返済状況などの説明が求められます。
また、会社側へ確認を行うのは金融機関の担当者ですので、金融機関の担当者も必ず気にする勘定科目といえます。
勘定科目「現金」の残高が大きく計上されていると、金融機関の視点からすると実際に手元に現金がそれだけあるのか疑問に思われます。
会社の規模や業種などにもよりますが、おおよその残高は100万円前後と思われます。
中小企業や個人経営者にとっては、手元の現金はなるべく少なくしておくことが望ましいです。
年々、「現金」の勘定科目の残高が増えていくと、実際は社長や役員の貸付金なのではないかと疑問に思われることもありますので注意が必要です。
「預金」関係の勘定科目については、各金融機関の残高証明書を決算書に添付することで、信用度も高まりますので、添付されることをお勧めしております。
中小企業が粉飾決算をする場合に、棚卸資産を増減させて行われることが多いといわれています。
そのため、「棚卸資産」の残高の推移も金融機関が気にする勘定科目の一つです。
具体的には、同じ業種の棚卸資産の残高の平均値と比較を行ったり、棚卸資産回転期間の推移を確認したり、粉飾がないかをチェックをしています。
在庫残高が多い場合など、不良在庫の有無や在庫残高が多い理由など確認されますので、決算説明などで説明できるようにしておきましょう。
「仮払金」「立替金」「仮受金」なども金融機関が気にすることの多い勘定科目です。
これらの勘定科目は取引内容が不透明なことが多いため、金融機関からするとどのような内容か説明を求められることがあります。
具体的には、社長や役員に対する仮払金や立替金が、実態として貸付金にあたるものではないか、また、赤字になってしまうために経費をこれらの勘定科目へ振り替えられているのではないかといった点について、確認されることが多いです。
そのため、これらの勘定科目を使用する際には、取引の内容や目的を明確にして、適切な書類(領収書や契約書など)をそろえておくことが大切です。
特に、社長や役員とのお金のやり取りがある場合は、「貸付金」に該当しないかどうかを明確に説明できるようにしておくとよいでしょう。
また、決算書を作成する際には、「仮払金」「立替金」「仮受金」が長期間残らないように、月々の会計処理で適正な処理を行うことが重要です。
金融機関から説明を求められた場合に備えて、事前に会計処理を見直しておくことが、スムーズな融資の審査にもつながります。
経費の勘定科目のうち、「雑費」科目も注意が必要です。
「雑費」の金額が多額に計上されていると、経費の仕分けが正しく行われておらず、何でも「雑費」として処理をしているのではないかと印象をもたれやすいです。
金融機関から見たときに「雑費」は不透明な経費と判断されやすいため、できるだけ使わずに、適正な勘定科目を選択することで、信用度を高めることができます。
金融機関は会社から提出される決算書をもとに融資審査を行います。
「融資審査は決算書が8割」と言われるように、決算書は審査において非常に重要な役割を果たします。
利益を確保することや、財務体質を健全に保つことももちろん大切ですが、原則に沿った正しい会計処理で決算書が作られていること、金融機関が理解しやすい決算書になっていることも重要なポイントです。
スムーズに融資を受けるためには、金融機関から見て信頼される決算書を作成することが不可欠です。そのためにも、専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
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