交際費・接待費の処理ミスが税務調査で指摘される理由

交際費や接待費は、取引先との関係づくりや信頼関係を深めるために欠かせない支出です。

一方で、税務調査では「どこまでが経費として認められるのか」が必ず確認される項目でもあります。

処理方法を誤れば、経費として認めらず追徴課税につながるケースも少なくありません。

特に「ちょっとした判断ミス」でも、税務調査では厳しく指摘されるリスクがあります。

交際費・接待費の処理が税務調査で指摘される理由、実際にあった指摘事例、そして日々の処理で気をつけるポイントを分かりやすく解説します。

《目次》

1.税務調査でチェックされる3つのポイント

2.税務調査で指摘されやすい事例

3.税務調査で疑われないためのポイント

4.よくある質問(Q&A)

5.まとめ

税務調査でチェックされる3つのポイント

交際費や接待費は「経費かプライベートか」の線引きが曖昧になりやすく、税務調査で必ずチェックされる代表的な費用項目です。

調査では、具体的に次の3点が重点的に確認されます。

✅業務との関連性があるか

取引先との打ち合わせや商談に伴う支出かどうか。

家族や友人との飲食費を交際費として処理していないかも確認されます。

✅金額や頻度・回数が妥当か

事業規模に比べて高額すぎる接待費や、異常に回数が多い飲食代は「過大ではないか」と重点的にチェックされます。

✅証憑(領収書)や記録が残っているか

領収書に加えて、「誰と・何の目的で」の支出かを説明できなければ、経費として否認されるリスクが高まります。

 

税務調査で指摘されやすい事例
事例1:家族の食事を交際費に計上

取引先との会食に一緒に家族も同席し、その全額を交際費として計上していました。

調査では「家族分は業務と関係ない」と判断されて、その部分が否認されました。結果的に追徴課税を受けることになりました。

事例2:社内飲み会を交際費に計上

取引先との懇親を理由に飲食代を交際費に計上していました。

しかし、実際は事務所スタッフのみの食事代だったため、「福利厚生費か私的支出」と判断され、交際費としては認められませんでした。

事例3:ゴルフ代を接待費として処理

出張に合わせて取引先とゴルフをした費用を「接待費」として計上。

しかし、業務内容との関連性を示す記録がなく、プライベート利用と判断されて否認されました。

事例4:領収書の内容が不十分だったケース

接待時の領収書は残っていたものの、参加者や目的が一切記録されていなかったことで、「実態が確認できない」と判断され、経費性が認められませんでした

事例5:高額すぎる会食費用

数名の取引先との会食で数十万円の費用を計上。

領収書は残っていたものの、内容が高額で事業内容や売上規模に応じて不自然とされ、一部を経費として認められませんでした。

税務調査で疑われないためのポイント

税務調査対策として交際費・接待費を経費計上する際には、次の3つのポイントを意識することで、否認リスクを大幅に減らせます。

参加者・目的を明確に記録する

後から説明ができるように、交際費の内容を簡単にメモしておくことが大切です。

経費精算書に記録を残したり、領収書に「取引先○○社との商談打ち合わせ」と書き添えるだけでも、調査時の安心材料になります。

✅プライベート支出を確実に区分する

家族や友人との食事は事業とは関係がないため、必ず経費から外しておく必要があります。

✅事業規模に見合った金額かを確認する

常識の範囲を超える高額な接待や頻繁な利用は、税務調査で確認がされやすいポイントです。

適正な範囲で処理することが、信頼性を高める第一歩です。

 

よくある質問(Q&A)
Q1.家族が同席した会食はどう処理すればいいですか?

A.事業関係者分は経費にできますが、家族分はプライベートの支出として除外が必要です。

Q2.領収書があれば経費として認められますか?

A.領収書だけでは不十分です。参加者・目的を明記し、業務上の必要性を説明できる形にしておきましょう。

Q3.領収書に参加者名や目的を書いていない場合は?

A.否認されるリスクが高くなります。後からでもメモを追記しておきましょう。

Q4.領収書が出ないお店の場合はどうすればいいですか?

A.領収書がない場合は、「日付・金額・相手先・目的」を記録し、自筆メモ等を添えて保存しておくことが有効です。

Q5.ゴルフや旅行も交際費になりますか?

A.ビジネスの実態と関連性を示せれば交際費となりますが、プライベート利用とみなされやすいため記録の残し方に注意が必要です。

Q6.少額の飲食代も目的を残す必要がありますか?

A.金額に関わらず記録が必要です。記録を残して説明できる状況にしておくと安心です。

Q7.接待で現金を包んだ場合は経費にできますか?

A.現金や商品券などの金銭提供は「交際費」となりますが、記録が不十分だと私的支出と疑われやすくなります。領収書がない場合は特に注意が必要です。

Q8.接待費が多いと必ず疑われますか?

A.多ければ必ず否認されるわけではありません。ただし、「事業規模に見合っているか」「記録が整っているか」で調査官の印象は大きく変わります。

Q9.高額な会食を繰り返しても問題ありませんか?

A.頻度や金額が過大だと節税目的とみなされる恐れがあります。業務関連性を明確にし、妥当な範囲に収めることが重要です。

Q10.社長個人カードで支払った飲食費も経費にできますか?

A.可能です。ただし、領収書や参加者記録を必ず残し、個人利用と区分できるようにしておかないと否認されるリスクがあります。

まとめ

交際費・接待費は、税務調査で特に指摘がされやすい経費です。

プライベート利用との混在や、領収書の不備は、経費否認や追徴課税につながる大きなリスクになります。

一方で、正しく処理し、参加者や目的を明確に残しておけば、調査で余計な指摘を受けるリスクを減らせます。

「交際費・接待費の正しい管理」は節税だけでなく、税務調査で事業の信頼性にもつながります。

 

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