名義預金はなぜ税務調査で問題になるのか

相続税の税務調査で指摘されることが多い項目の一つが「名義預金」です。

名義預金とは、預金口座の名義は配偶者や子、孫などになっていても、実際には被相続人が管理・運用していた預金をいいます。

家族のために積み立てていたつもりでも、相続税の税務調査では被相続人の財産と判断されることがあり、追徴課税につながるケースも少なくありません。

今回は、名義預金が相続税の税務調査で問題になる理由について解説します。

 

《目次》

1.名義預金とはどのような預金か

2.なぜ相続税調査で問題になるのか

3.税務署はどのような点を確認するのか

4. 名義預金と判断されやすいケース

5. 名義預金と指摘されないための対策

6.まとめ

名義預金とはどのような預金か

名義預金とは、預金口座の名義人と実際の所有者が異なる預金を指します。

例えば、

 ✅子ども名義の口座に親が入金している

 ✅孫名義の口座を祖父母が管理している

 ✅配偶者名義の口座を被相続人が自由に利用している

といったケースです。

子どもの将来のために親が積み立てていた預金や、孫名義で管理していた預金などが該当する場合があります。

預金口座の名義が家族になっていても、その預金を実質的に管理していた人が被相続人であると判断されれば、相続税の課税対象となる可能性があります。

名義預金は、相続税の税務調査で頻繁に確認される項目の一つです。

税務署は口座名義だけでなく、実際に誰の財産であるかを重視して判断します。

「家族名義だから大丈夫」と考えていても、税務上は異なる判断となるケースがあるため注意が必要です。

 

なぜ相続税調査で問題になるのか

相続税は、被相続人が亡くなった時点で保有していた財産を基に計算されます。

相続財産に含めるべき預金が申告から漏れている場合には、本来納めるべき相続税が少なくなってしまいます。

そのため、家族名義の口座であっても、実質的に被相続人の財産と判断されれば、相続財産として申告する必要があります。

税務署は、相続税の申告内容と被相続人の財産状況を照らし合わせながら確認を行うため、家族名義の口座についても調査対象となることがあります。

名義預金と判断された場合には、申告漏れとして相続財産に加算されるだけでなく、過少申告加算税や延滞税などの追徴課税が発生する可能性もあります。

 

税務署はどのような点を確認するのか

税務署は単に預金口座の名義だけを確認しているわけではありません。

具体的には、

 ✅預金の原資は誰のお金か

 ✅通帳や印鑑を誰が管理していたか

 ✅口座の入出金を誰が行っていたか

 ✅名義人が預金の存在を認識していたか

などの状況を確認します。

相続税の税務調査では、被相続人や相続人の預金履歴を確認しながら、資金の流れを把握します。

また、過去の預金の増減状況や定期預金の預け入れ時期なども確認されることがあります。

預金の原資が誰の収入によるものか、実際に誰が管理していたのかといった点が重要な判断材料となります。

税務署は形式上の名義ではなく、実質的な所有者が誰であるかという視点で判断することが特徴です。

 

名義預金と判断されやすいケース

相続税の税務調査では、次のようなケースが名義預金と判断される可能性があります。

 ✅子ども本人が口座の存在を知らない

 ✅通帳や印鑑を親が管理している

 ✅預金の入出金を親が行っている

 ✅贈与契約書が作成されていない

 ✅贈与を受けた認識が名義人本人にない

これらのケースでは、名義人よりも被相続人が実質的に管理していたと判断される可能性があります。

家族間で一般的な管理方法であっても、税務署から見ると被相続人が管理していた預金と判断されることがあるため注意が必要です。

 

名義預金と指摘されないための対策

名義預金と判断されないためには、単に口座名義を変更するだけでは不十分です。

贈与や資産移転の事実を明確にしておくことが大切です。

例えば、

 ✅贈与契約書を作成する

 ✅名義人本人が通帳を管理する

 ✅名義人本人が自由に口座を利用できる状態にする

 ✅資金移転の記録を残しておく

といった対応が有効です。

特に、名義人本人が預金を管理し、自由に利用できる状態になっているかどうかは重要な判断材料となります。

また、通帳やキャッシュカードを本人が保有し、必要に応じて自由に利用できる状況であることもポイントです。

将来の相続税調査に備えるためにも、日頃から預金の管理方法を見直しておくことをおすすめします。

 

まとめ

名義預金は、預金口座の名義ではなく、実際に誰が管理・所有していたかによって判断されます。

相続税調査では、「預金の原資」「通帳や印鑑の管理状況」「資金の利用実態」などが確認されます。そのため、家族名義の口座であっても相続財産と判断される場合があります。

将来の相続トラブルや税務調査への備えとして、預金の管理状況を確認し、不明な点や不安な点がある場合には税理士へ相談することをおすすめします。

 

当事務所では、税理士による豊富な対応実績をもとに、税務調査の事前対策から調査当日の立会い、調査後の対応方針のアドバイスまで、一貫したサポートを行う「税務調査コンサルティング」サービスをご提供しております。

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