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税務調査には、法人を対象とする法人税調査と、相続税申告を対象とする相続税調査があります。
どちらも税務署が行う調査ですが、調査の目的や確認される内容には大きな違いがあります。
法人税調査では、会社の売上や経費などの申告内容が確認される一方、相続税調査では、相続財産に申告漏れがないかが確認されます。
今回は、相続税調査と法人税調査の主な違いについて解説します。
《目次》
1.調査の対象となる財産や取引が異なる
2.相続税調査は過去の財産の流れも確認される
3.預金調査の重要性が大きく異なる
4. 相続税調査では家族の財産状況も確認される
5. 指摘されやすいポイントが異なる
6.まとめ
法人税調査では、会社の売上や経費、帳簿の内容、契約書や請求書類などが確認されます。
適正に申告が行われているか、取引の実態や整合性、経費として認められない支出が含まれていないかなどが主な確認事項です。
一方、相続税調査では、被相続人が保有していた財産や相続税申告の内容が調査対象となります。
預貯金や不動産、有価証券などの財産について、申告漏れがないか、また評価計算が適切に行われているかが確認されます。
法人税調査が「事業活動」に着目する調査であるのに対し、相続税調査は「財産の把握」が中心となる調査です。
法人税調査では、通常は調査対象期間の帳簿や取引内容が確認されます。
一方、相続税調査では、相続開始時点の財産だけでなく、その財産がどのように形成され、移動してきたかも確認されます。
例えば、
✅家族への資金移動
✅生前贈与の状況
✅過去の預金の引き出し履歴
✅不動産の購入や購入資金の流れ
などが確認されることがあります。
税務署は、相続開始時点の財産だけを見るのではなく、その財産の増減状況や資金の流れを確認しながら申告内容との整合性を検証します。
そのため、相続発生直前だけではなく、過去数年から数十年にわたる預金の取引履歴が調査対象となるケースもあります。
また、被相続人から家族への多額の資金移動が行われている場合には、その資金が生前贈与なのか、それとも被相続人の財産として管理されていたものなのかについて確認されることもあります。
相続税調査では、特に預貯金の確認が重視されます。
預貯金は財産の状況や資金の流れを把握しやすいため、税務署が重点的に確認する項目の一つです。
税務署は金融機関の資料や預金履歴などを確認しながら、被相続人が保有していた財産の状況を把握します。
特に、
✅預金の入出金履歴
✅家族名義口座への資金移動
✅生前贈与の有無
✅名義預金の可能性
などが確認されます。
また、相続開始前に多額の現金引き出しが行われている場合には、その資金の使途について確認されることもあります。
法人税調査でも預金口座は確認されますが、主な目的は売上や経費との整合性の確認です。
そのため、帳簿に記載された取引内容と預金の動きが一致しているかが重視されます。
一方、相続税調査のように、資金移動や預金そのものが財産として調査の中心になるケースは多くありません。
この点は、法人税調査と相続税調査の大きな違いの一つといえます。
法人税調査では、基本的には法人の帳簿や役員との取引が確認されます。
そのため、調査対象は会社の取引や会計処理が中心となります。
一方、相続税調査では、被相続人だけでなく、相続人や家族名義の財産についても確認対象となる場合があります。
具体的には、
✅子ども名義の預金口座
✅配偶者名義の預金口座
✅孫名義の預金口座
などです。
これは、被相続人の財産が家族名義に移転されていないかを確認するためです。
例えば、子ども名義の口座であっても、実際には被相続人が資金を拠出して、通帳や印鑑を管理している場合には、名義預金と判断される可能性があります。
また、生前贈与として資金を移転していた場合でも、贈与契約の内容や管理状況によっては、被相続人の財産として取り扱われることがあります。
そのため、相続税調査では被相続人本人だけでなく、家族を含めた財産の管理状況や資金の流れについて確認が行われることがあります。
この点は、法人税調査には見られない、相続税調査特有の特徴といえるでしょう。
法人税調査では、
✅売上計上漏れ
✅架空経費
✅役員関連費用
✅私的支出の混在
などが確認されます。
特に、売上計上漏れは税務調査で頻繁に指摘される項目です。
また、個人的な支出を会社の経費として計上していないか、役員との取引が適正に処理されているかといった点も確認されます。
法人税調査では、帳簿や証憑書類をもとに申告内容と実際の取引内容に相違がないかが重視されます。
一方で、相続税調査では、
✅名義預金
✅タンス預金
✅生前贈与
✅不動産の申告漏れ
✅デジタル資産
などが確認されます。
相続税調査では、帳簿の確認よりも財産の申告漏れがないかという点が重視されます。
そのため、預金口座の資金移動や不動産の保有状況、生前贈与の有無などについて確認が行われます。
近年はネット証券や暗号資産など、相続人が把握しにくいデジタル資産についても確認されるケースが増えています。
また、家族名義の財産についても調査が行われることがあり、名義預金として指摘されるケースも少なくありません。
法人税調査が「取引の適正性」を確認する調査であるのに対し、相続税調査は「財産の形成過程や資金の流れ」を確認する調査であることが大きな特徴です。
そのため、調査対象が異なることから、税務署が重視するポイントも大きく異なります。
法人税調査と相続税調査は、どちらも税務署が行う調査ですが、確認する内容や目的は大きく異なります。
法人税調査は会社の取引や帳簿の正確性を確認する調査であるのに対し、相続税調査は財産の状況や資金の流れ、申告漏れがないかを確認する調査です。
特に、相続税調査では、預金の流れや家族名義の財産、生前贈与の状況などが確認されるため、日頃から財産管理の記録を残しておくことが大切です。
不明な点や不安な点がある場合には、早めに税理士へ相談することをおすすめします。
当事務所では、税理士による豊富な対応実績をもとに、税務調査の事前対策から調査当日の立会い、調査後の対応方針のアドバイスまで、一貫したサポートを行う「税務調査コンサルティング」サービスをご提供しております。
「税務署から連絡があった」「調査の対象になりそう」「調査への対応に不安がある」といった段階でも、早めのご相談が重要です。
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